探偵の愚痴
HOME
最初の探偵事務所
矛盾
訳のわからない
学校
学んだこと
運営ならず
閉鎖の日
新しい就職先
 矛盾

女性からの依頼のみ。
浮気調査のみ。
これが、最初の探偵事務所で言われた受ける調査の条件。

探偵って、浮気調査のみ?
そんなわけ、ないよな。
男の人からの依頼を受けるなって?
仕事を受ける側が、依頼者の性別で区別しなきゃいけないなんて。
ぼくは、出鼻をくじかれたような気になった。

これで探偵の勉強なんて、できるのか?
迷いながらも、アパートの家賃や生活費を稼がなければならないという現実から、辞めることすらできないでいた。

しかも、社長は、結婚相談所時代の無駄な(ごめんなさい!!!)女子事務員の給料を支払うため、ぼくに高額な調査を受けてくるように要求する。
最初から価格を言うのではなく、相手を見て、金額を引き上げろ、と。

今のご時世、そんな羽振りのいい客がいるかよ!
とつっこみたくもなったが、一応お給料をくれる社長だから、そこはぐっと我慢した。

結婚相談所から探偵事務所へ変更されたところなので、まだ、チラシやホームページすら準備されていない状態。
事務所だけは、やたら綺麗な状態で準備され、相談室まで用意されていたのだが・・・。
入社して半年は、事務所の宣伝のためのチラシをつくるため、他社のチラシがどうなのか、集めたり、ホームページのチェックをしたり。
このときは、夢に満ち溢れていて、かなり楽しかった。

探偵事務所を社長とともに一から作っていく、というような?
使えないと思っていた女子社員は、事務所の電話から、女優さながら、ほかの会社がどんな対応をして、価格を出してくるのか調査するための材料を集めてくれた。
探偵事務所の手口は、ほとんどがこうだ。

1、電話口である程度の悩みを聞き、それは至急調査が必要ですね、と持っていく。

2、予算の段階になると、調査に詳しいものが実際の調査方法を説明して、見積もりを出します、となる。
ここで、面会に持っていきたい!という態度が見え見えだったらしい・・・。

3、実際に待ち合わせ場所に出向くと、保険上がりらしいような、自分に自信ありげな年輩の相談員と面談し、今調査しておかなければ大変なことになる、と、半ばおどしのような雰囲気で調査を押しつけられる。
(一人の女子社員は、そんなに予算がないので、と断ろうとすると、両親にお金を借りてでも、今解決した方が良い!と、なかなか帰してもらえなかった子までいた。)

4、なんとか、その日、調査を依頼せず帰宅すると、何日かして、その相談員からしつこいくらいの営業電話がかかってきたりも・・・。

調査担当者が自ら電話に出たり、その場でおおよその予算を説明してくれたところは、この近辺の事務所では、たった1件だったとか。意外だったな。




 
Copyright(C) 探偵の愚痴